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働く大切さから経済学まで!?

にんじんばたけのパピプペポ

2018/10/22
にんじんばたけのパピプペポ

「からすのパンやさん」が良かったこともあって、かこ さとしさんの他の本を見かけて読んでみたくなりました。

今度は子ぶた!どうやらこの本には、子どものにんじん嫌いの対処療法になればという願いも込められているみたいです。

おすすめ年齢

5〜9歳
※ 個人の主観です

おすすめ度

★★★★★ 5
※ 最大5まで、個人の主観です。

全体のあらすじ

昔、草ぼうぼうの荒れた原っぱの端に、汚い小屋がありました。

その小屋に親ぶたと20匹の子ぶたが住んでいました。

(両親が働いているのに、子ぶたたちはお手伝いも勉強もせず怠けてばかり)

(ある日、子ぶたたちは、赤い根の草を1本見つけて喧嘩を始めます)

「変な草だぞ!」

「変じゃないやい、僕が見つけたうまい草なんだぞ!」

「嘘つけ!」

するとそこへ、もぐらどんがやってきました。

「その草は"あかだいこん"と言ってな、持っていると頭が悪くなる毒の草じゃ。わしが捨ててあげよう。」

(別の子ぶた達も同じような草を見つけますが…)

ねずみどん → "みかんごぼう"と言って、かじると顔がくちゃくちゃになる毒の草

うさぎどん → "だいだいいも"と言って、食べると血が出て死んでしまう怖い草

(と言われ、全部持っていってしまいます)

にんじんばたけのパピプペポ1

(またまた別の子ぶたたちが同じような草を4本見つけますが、↑のような経験をした子ぶた達が、それは"あかだいこん"だ!いやいや"みかんごぼう"だ!"だいだいいも"だ!と大騒ぎ)

「なんだい、欲しいもんだからそんなこと言って。」

(取っ組み合いの結果、欲張りな1匹の子ぶたが独り占めし、しまいには食べてしまいます)

「あっ!毒で死んでしまう!」

(しかし死ぬどころか、欲張りで悪ガキだった子ぶたは、なんとお利口な良い子に)

「この草は毒じゃなくて、素晴らしい食べ物だよ。みんなも食べてごらん。」

と、残りをみんなに渡したのです。

にんじんばたけのパピプペポ2

(みんなも食べて、みんな良い子に。今まで怠けていたのがとても恥ずかしくなります。)

「良いもの食べてよかったね。」

「うん。いじわるしてごめんね。」

「お父さんやお母さんに、ちょっとでもあげればよかったね。

「大丈夫。もう1本が木の上に乗っかってるよ。」

(みんなが良い子になって、両親はびっくりしつつもとても嬉しく思います)

「これは、"にんじん"という美味しくて栄養のある野菜だよ。」

「今食べるのを我慢して、たくさんのにんじんに増やしてから、ゆっくり食べさせてもらうわ。」

(それから良い子になった子ぶた達は、7ページもかけて草ぼうぼうの原っぱを耕し、井戸を掘り、1本のにんじんを育てて種をとり、畑で栽培、収穫まで一通りやってしまいます。最初の怠けっぷりが嘘のような働き者ぶりです)

にんじんばたけのパピプペポ3

(収穫したにんじんを欲しい人に分けてあげることに)

お金持ちからは10円、中くらいの方からは5円、貧乏な方からは1円もらいました。

病気の方や、体が弱くて困っている方には、ただでそのにんじんをあげました。

にんじんばたけのパピプペポ5

(そこへ、以前子ぶた達から騙し取った、もぐらどん、ねずみどん、うさぎどんがやってきますが、その姿は見るからによぼよぼ。話を聞くと、うまく騙し取れた後に食べたら本当に毒の草だったとのこと。子ぶたたちは、にんじんをただで分けてあげます)

「こんなに親切にしてもらって、お礼に何か手伝わせてくださいな。」

(もぐらどん達にも協力してもらい、みんなでレンガを焼きます。そしてそのレンガで保育園、図書館、劇場を造りました。それでもレンガが余ったので住んでいた小屋も立て直しました)

にんじんばたけのパピプペポ4

今でも、にんじん畑に行くと、にんじんの生えた向こうにレンガ造りの4つの建物が見えて、どこからかかわいい歌がきっと聞こえてくるでしょう。

♪こぶた ちびぶた いたずらちゃん

おしりも おでこも ほっぺたも

にんじん色して パピプペポ

♪力を出そうよ 知恵を出そう

元気でみんな 頑張ろう

にんじん畑の バビブベボ

もし、あなたがお利口になったり、綺麗になろうと思っても、黙ってにんじんを抜いたりかじってはいけません。

あなたはお金持ちなのですから、10円必ず、払ってくださいね。

感想

最初は話を詰め込み過ぎで難しいんじゃないかと思っていたのですが、子どもは思った以上に気に入ってくれたようで良かったです。

我が家にはにんじん嫌いがいないので、にんじん嫌いをなおす効果の程はわかりませんでしたが、他の方のレビューを見ていると、一定の効果があるみたいです!

そしてこの本、特にすごいと思ったのが、経済の教訓まで入っていることです。

今の資本主義経済は、誰かが借金をしないとお金が生まれない仕組みなので、結局借金の押し付けあいになって、お金がすごく価値があるものに感じてしまいがちですが…。

本当に価値があるのは、作中で言えばにんじんやレンガや建物であったり、それを生み出す畑や井戸や釜、労働力、ノウハウです。生産者がそれらを独占せずに、貧しい人達にも分配して経済を回すことで、巡り巡ってみんなが豊かで幸せになっていく。そんなことまで絵本で表現するなんて!と、びっくりしました。

今後、AIやロボット技術の発達で生産に人が要らなくなると、普通の人は働くことも難しくなり、ますます貧富の差が激しくなると予測されます。そこで本作のような「財」の分配の考え方が、近い未来にベーシックインカムとともに広まっていくはずです。今のうちに少しでも子どもたちに伝わればと感じました。

子どもの反応

5歳息子。

一言「良かった!」と言ってました。母親にも見て欲しくなったようで、「この本良かったよ〜」と持っていってました。

いまひとつどの辺りがヒットしたのかは、よくわからないのですが(笑) 結構気に入ってくれたようです。

立派な大人になってくれ!

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プロフィール

  • パパ
    パパ
    記事を書いている人。最近ママに怒られた娘が助けを求めに来るのが嬉しくて仕方ない。
  • 息子
    息子
    長男5歳。好きな番組は、ピタゴラスイッチに始まり、すイエんサー、ネプリーグへ。将来は野球の審判になりたい。
  • 娘
    もうすぐ2歳。兄とは違い活発。オシャレ好きでママの化粧ポーチから口紅を取り出し、たらこ唇になっていることがある。

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